目次
- 初めに
- 悪と正義 ~主観でしか語られない概念~
- 罪と罰 ~常に付きまとう~
- 民法と刑法 ~意外に知らない違い~
- 倫理と法律 ~ほぼ同じもの,違いは時間軸~
- 権利と義務 ~常に付きまとう~
- 終わりに
- 次回予告
初めに
自然科学系の学生が政治や法律など一般に文系と呼ばれる中でも理論よりな学問を勉強する際,どこから手をつければよいか分からないことが多い.基本と呼ばれても,何が理系学生にとって基本となるのかなかなか見えてこない.ということで,本質的かつ基本事項を対立構造で列挙する.とりあえずこれを抑えておけば僕程度のリテラシーは得られると思う.
なんか吉本を例にすると分かりやすい(笑)
悪と正義 ~主観でしか語られない概念~
上図より誰が悪いか,誰か正しいか,ということに出口は見えない.理由は良い悪いは常に主観でしか語られないからである.主観から見て価値観が等しいものを良いと言い,異なるものを悪いという.とはいえ世論は一般に誰が悪いかということを決めたい人が多いので,世の中のマジョリティと価値観が異なるものを悪という.この考えが次の罪と罰に繋がる.
罪と罰 ~常に付きまとう~
ドストエフスキー読もう(笑).罪──誰が悪いのかということは罰がなければ法律上決めることができない.罪には常に罰がつきまとう.罰がないところに罪は存在しない.ばれなければ犯罪ではないということは,これを意味している(と思う).捕まらず逃亡する者はずっと警察に怯える生活をする.その生活自体が罰であり,その罰を15年履行することで,罪が解消される時効となる.この辺りは法律を作った時点の人が賢いと思う.また一般が充分罰を与えたと認識されると,その罪は一般に解消したということになる.
この円グラフほど,使えない資料はないということである.ちなみにこの騒動の本質的問題は吉本興業の事業形態である.お笑い界アップデート,したいね.
民法と刑法 ~意外に知らない違い~
法律──別名,罪発見機および罰量産機.司法国家において,法律上の罰は常に裁判を通してしか与えることができない.刑法は検察と呼ばれる警察のお友達が,裁判を加害者に対して起こす.刑法だと罰で刑務所行きチケット・地獄行きチケットを与えることができるようになる.民法はお金しかもらえません.
刑法の対象はそれこそ法律勉強しないと細かく分からないが,殺傷・盗品など一般に悪だと言われている事件が対象になる.事故や人間関係のいざこざは民法になる.
吉本に話が戻ると,誰かが訴えないと法律上で誰かが悪いということは規定できない.法律上の罰が生まれないからね.だから世の中からバッシングや停職を芸人さんたちへの罰として罪を解消させ,問題の焦点を企業形態に移した方が発展的・未来志向な議論になる.
倫理と法律 ~ほぼ同じもの,違いは時間軸~
倫理は常に変化している,今も.法律はある時代の倫理を一度文章にしてフィックスするものである.当然法律も変化するが,変化の時間単位が倫理に比べて遥かに遅い.この倫理と法律の差分及び,法律制定のディレイをなるべく小さくすることこそ,法治国家が目指すことの一つといえる.ディレイが大きいと”裁けない”,”技術開発できない”などが発生する.
権利と義務 ~常に付きまとう~
権利は常に義務を払わないと得られない.国民の義務を果たさない人に,国民の権利は与えらない(与えられてるけど笑).やっぱり世の中の多くは権利ばかり主張して,義務に焦点がいかない人が多い.権利を得たくば,義務を払わなければいけない.「これしたい」「あれしたい」といって,「でもそれはしたくない」という子供を思い出そう.何か対価を払わなければ,得られるものなどないのだ.
モノを所有する権利には,お金を払う義務が生じる.大学で講義を受ける権利は,勉学をする義務(&授業料,入学試験)を履行することで得られる.権利と義務は結構役に立つ対の概念なので押さえておきたい.
終わりに
三権分立や選挙制度,法律改正手続きなども所詮具体的なことだと思い,より抽象度を上げて本質的な基本事項をまとめてみました.言われてみれば,そうだねと思うことが多いと思います.是非考え方パクって使って下さい.あとなんか漏らしている基本概念ありそうな気しかしませんが,見つけたら随時更新.オファーがあれば,経済編やってもいいかも.本日は以上です,お疲れ様でした.
次回予告
経済の本質とは分配である.しかし平等にすることは目的ではない.なぜなら差異がなければ価値が存在しないからだ.差異なき世界に優越の幸福は生まれない.そのことを理解した者が,民草に平等”感”を与えて秩序をコントロールしているに過ぎない.資本主義が生み出した怪物達の思考プロセスに迫ってみよう.知らんけど.