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暗号通貨の展望 ~通貨の役割からFacebookの動向まで~

前書き

 巷ではBTC1万ドル突破だとか,Facebook仮想通貨参入だとか,金融業界とテクノロジーフィンテックなる俗語で語られています.Googleで仮想通貨と検索すれば,どの通貨が伸びる展望だとか,そういう事ばかりです.そこで暗号通貨の既存通貨に対する優位点と社会情勢との関連から,暗号通貨全体の展望を見通してみようかと思います.

 

暗号通貨の利点

 そもそも通貨とは何かという中学生社会科レベルの話をします.古来,通貨などは存在しませんでしたね.基本的に物々交換で生活は事足りました.しかしそれでは色々と面倒な事が起きてしまいますよね? 通貨を用いるのは3つのメリットがあるといわれています.

通貨の役割
  • 価値の保存(物々交換では物が腐ります)
  • 価値の交換(重い物を持ち運ぶのはしんどいですよね)
  • 価値の指標(どれぐらいの価値かを数値化できます)

そして通貨が成り立つ為に必要な要素が2つあります.

通貨の成立条件
  • 通貨を使用する人(経済が必要です,必ず)
  • 通貨への信頼(上記3つの役割を行える事への確信度)

 これらが揃った時,ひとまず通貨が成立するとしましょう.これらは通貨が通貨たる必要条件です.

暗号通貨のメリット

 では新たなる暗号通貨というものは,既存通貨に対してどのようなメリットがあるのか,ということを考えてみましょう.

  • 目指せ世界共通通貨(非中央集権型.信用を国家が生まないというのが特徴である.)
  • ブロックチェーン(BC)によるセキュリティ(電子マネーではフィッシングされると追いきれない事が多い.)
  • スピーディーな取引(電子マネーでは国家間の取引で,トレードの手数料がある.グローバル化の影響ですね.)

 ギリシャ財政破綻など,国家の経済へ信用がなくなった時,世界共通通貨というのは資本の逃げ先として非常に優秀です.そしてその信用を世界の優秀な「人間」で保証しています.要はビルゲイツやバフェットが「暗号通貨,いいよね」ってツイートすれば,信用が生まれちゃいます.昔は国家の信用が圧倒的だったのですが,最近は個人の影響力が非常に高まっており,個人や企業が信用を生む事ができるようになった点が大きい背景です.

 そして暗号通貨を広めたい勢が大抵おっしゃるのが「スピーディーな取引」と「安全性」です.ただそんなものは後付けの理由であって,便利だからという言葉に思考停止してはいけませんよ.

既存暗号通貨のデメリット
  • 投機対象になっている(価値が安定しない)
  • 種類が増え過ぎ(暗号通貨のメリットを理解せずに,儲ける為に思考停止組を釣るエンジニアが増えて,世界共通と信用の要素を失っている.)

 という事が今のデメリットです.Facebookは大抵プラットフォームビジネスは自分達で行わず,成功したスタートアップのM&Aが多いのですが,今回は自会社で開発をします.その背景は既存暗号通貨のデメリットを理解しているからこそ,GAFAクラスのIT企業が暗号通貨の方向性を示す必要を感じているからだと思っています.つまり投機対象にならず,価値が安定し,その価値の信用をFacebookという企業が担保する,という事です.

あとがき

 こんな事を言う僕は実は現金派なんですよね.今の日本を旅して,現金が使えないという場所はほぼないです.東京の一部の気取ったレストランぐらいです.それは海外も同じです.逆にシンセンみたいなところにいって,僕は果たして生活できるのかという不安は超絶あります.

 僕の親がよく言うですけど,機械はコンセントを抜けば動きません(ってまあ,電気とエネルギーの関連を勉強しようねとなるんですけど笑).そして最近のテクノロジーは一層ユーザを思考停止に追い込む機構が満載な気がしてなりません.もっと考えさせてと思うのに,そうさせてくれない.テクノロジー開発側はマウストラッキングをしてUIデザインをして,なるべく便利になるように考えています.エンジニアはどれだけ取引をデータ化して,安全かつスピーディにするかを考えています.この思考量の差こそ,僕が一番懸念する格差ですかね.